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大人になっても苦手なもののひとつに注射があるのではないでしょうか。 小さいお子さんなら、なおのこと「痛い」「怖い」となるでしょう。 でも、生命や健康を守る上で、注射(予防接種)は欠かせないものです。
医療の痛みは「仕方がない」の時代から、医療従事者、お子さん、保護者で協力して「痛みを減らす工夫」をすることで、お子さんの苦痛を「やわらげられる」時代を迎えています。
当院での施行することの多いインフルエンザワクチンは皮下注射で行います。 皮下注射とはどんなものでしょう?
皮下注射:
皮膚と筋肉の層の間にある、脂肪がおもな皮下組織に薬物を注入する注射です。血管に直接入らないので、効果があらわれるまでに時間がかかりますが、長続きするのが特徴です。
日本で行われている予防接種の多くは、この方法が用いられています。
例)インフルエンザワクチン、みずぼうそうワクチン、日本脳炎ワクチンなど
皮下注射で痛みを起こす原因は主に2つあります。
①針を刺すときの皮膚の痛み
皮膚を刺すときのちくっとした痛みで、注射の針が細いほど痛みを感じにくくなります。
②薬液を入れるときの痛み
カラダは体液と異なる浸透圧の異物が入ると圧力を感じ、それが痛みにつながります。そのため、薬が体液に近い浸透圧で、ゆっくり注入することで痛みを感じにくくなります。
小さい頃に何度も痛みを経験したお子さんは、その後、「痛み閾値(いきち)」が下がる場合があることが知られています。「痛み閾値」とは「痛い」とかんじる最も弱いレベルのことです。 これが下がることにより、痛みを本来のものより強く感じてしまう、つまり「痛がりな子ども」になってしまう場合があります。 また、痛み体験が恐怖や不安の記憶として残り、注射に対して過剰な恐怖感や不安感が芽生えて、注射拒否につながることがあります。
ワクチン接種の痛みをやわらげる方法として、推奨されている対処法を紹介します。
①不安の解消・注射の説明
「怖い」とか「いやだ」という気持ちがあると、なぜか注射の痛みは強くなりがちです。お子さんが理解して注射に向き合う態勢が整うことは、有効な痛み対策となります。
子どもだからといってきちんとした説明をせずに、いきなり注射をすると、より強い恐怖や誤解を与えることになってしまいます。
私どもはお子さんの発達に応じ、理解できる言葉で注射の必要性を伝えていきます。
②医療や看護のテクニック
圧迫法と呼ばれる方法があります。注射を刺す部位を、直前につまんだりたたいたりする方法で、注射をさしたときの痛みを感じにくくなることが知られています。
また、できるだけ細い針を使うことは、痛みを減らす上で効果的です。
最後に、消毒用のアルコールがぬれたままだと、針といっしょに皮膚の下に入り、痛みが増すとされているため、針をさすときに、皮膚が乾いていることを確認しています。